偏差値2那由多

一般男性の公開ポエム

旅に飽きた

僕は今、エジプトのカイロにいる。1ヶ月半の海外旅行の最初の3週間目だ。当初は昔からの友達とイタリアとギリシャを回ったあと別れて、ソロで1週間ほどギリシャの島を回ってから2週間ほどエジプトのナイル川沿いを観光し、最後にトルコに行く予定だった。3月まで無職だけど貯金はあったので、仕事をしてから行けない場所に行こうと楽しみにしていた。

しかし複合的な理由で旅が辛くなってきて、今はとても家に帰りたくなっている。特にブログにまとめるつもりはなかったが、一度整理したいので因数分解する。

1. トルコ地震

今回の旅行はイスタンブール経由でローマに入国することから始まった。しかし僕がローマに行く当日にトルコで大地震が起きて、多くの人が亡くなる大惨事になった。実際僕が乗る飛行機には日本人の救助隊が乗っていたらしい。

イスタンブールなど西の地域は震源地から遠いため今現在影響があるわけではないだろうが、やはり旅行に行く一番楽しい時期ではないだろう。進んで自粛をするというわけではないが、現地の人が苦しんでるときにウキウキで行くのがなんか違う気がする。

逆に最後のX日をトルコで過ごさないとなると、どこで何をして時間を潰すのか?と考え始めたが、「時間を潰す」という概念に圧倒されて、旅行を楽しむモチベーションが下がってしまった。そもそもトルコに行くことを楽しみにしていたので、旅が始まった時点でかなり渋くなってしまった。

一応誤解されないように補足すると、「トルコの人が悪い」という話ではない。あくまで僕のマインドセットが悪い方向に引っ張られたという話。個人的には運が悪かったなあと思っているが、トルコの被災者の気持ちはそれどころではないだろう。トルコが今回の震災から復興してから改めて旅をしたい。

2. 金欠

壮大な海外旅行ではあるが、無職の貯金など蚊の涙なので、いわゆる貧乏旅行ではある。ある程度気をつけていたつもりだったが、今日クレカの限度額を超えてATMが使えず、旅のモチベーションがぷつんと切れてしまった。

そもそも今回の旅行はある程度節約していたので、クレカの限度額に引っかかるとは思っていなかった。

イタリアは北の方を回ったので物価が高く、結構ケチった。それでも長いこといたので、ある程度の出費はあった。ギリシャはヨーロッパの中では物価が安かったので財布の紐を少し緩めて旅行した。

エジプトはとても物価が安いので当然そんなに金を使う必要がないだろうと思っていた。実際に今泊まってるカイロの宿も個室で1泊2k弱とかだし、夕飯も100円で済んだ。

しかし想定外だったのは、エジプトで面白い観光地に行くには絶対にツアーに参加しなければいけないということだ。正確には、そういった法律があるわけではないが、ガイドを付けないと安心安全に旅行をすることができない。そもそも公共交通機関が整っているわけではないので、ガイドがいないと行きか帰りのどちらかで高い確率で詰む。

そして当然ツアーというのはびっくりするくらい高い。特に一人旅行の敷居が金銭的に高い。表示されている額の他諸々請求され、結果もっと払うこともある。

(1)の理由でエジプトの滞在を長くしようと思っていたが、これを何回も続けるのはとてもじゃないが難しい。

3. ツアーアンチ

僕はもともとツアーが好きではない。ゆっくり自分のペースで旅行したいのに、お金を払って他の人が組んだ旅程でせかせか旅行することに魅力を感じない。

実際に博物館でよく見るツアー客を見ると、ガイドが要点を説明して早足で駆け抜けるのをよく見る。僕は博物館で1日過ごせるくらい足が遅いので、僕には合わないだろうと思っていた。

ただ(2)の理由により、ツアーガイドをつけなければいけない。実際に今日ツアーに参加したが、僕が面白いと思った場所で満足に滞在できず、逆に全く興味のない土産物屋に行ったりして、もう二度と参加したくないという気持ちになった(そしてこのツアーの思わぬ出費でクレカの限度額に到達した)。

一応来週3泊4日のツアーの予約を入れたが、正直全然行きたくない。エジプトの行きたい遺跡を回るには一番安全で手間が少ないから予約したが、今は行きたくない気持ちのほうが強い。これをキャンセルするかどうか非常に迷っている。

4. 飯モチベ

先日別記事で詳しく書いたが、僕は食事をあまり楽しめなくなってしまった。食事が楽しくないので当然旅先で食事を楽しむという考えを持っていない。なので金銭的には食事の優先度が非常に低く、極力安く抑えようとしている(友人と回ってるときは少し悪いことしたと思っている、全然食欲がなくて食事をケチったので)。

とにかく栄養をサクッと取れて量と油が少ないオプションがほしいのだが、異国の地でそれを安易に見つけられるわけなく、食事が毎度ストレスになってしまった。優先度が低いのに食事のことを定期的に考えなければいけないのが苦痛だ。

これに関してはどうすればよかったのか内省しているが、旅行に来なければよかったのでは?という結論にしかならない。ただただ胃腸が旅行に向いてない。

5. 飽き性

これは純粋に僕の性格の問題だが、思ってた以上に飽きが早かった。イタリアも1週間いたあたりからもうイタリアは飽きたかなという気持ちになり、ギリシャも4日ほどアテネを一通り観光してから「もうギリシャはお腹いっぱい」となった。実際、ギリシャで友達と別れてから少ししか観光せず、島の観光をすっぽかして前倒しでエジプトに来てしまった。

イタリアの美術には流石の美術弱者の僕も圧倒されたし、アテネでは博物館のとある展示物に感動した。ただどうしても飽きが先に来てしまい、最後の方には体が旅程に動かされているような感覚になる。

カイロに来て3日目だが、もう飽きた。もうちょい長くカイロを観光するつもりだったが、もうそろそろ出たい。とりあえず明日から数日アレクサンドリアに行くことにした。ただアレクサンドリアもすぐに飽きたらどうしよう、という若干の恐怖を感じている。実際にエジプトもあと数日で飽きる気がしている。

6. その他

諸々の事務作業をしなければいけなくなり、旅行の熱が冷めてしまったのも要因の一つだが、詳しくは割愛。

考える限り今できるオプションは3つある。

1. 帰国日を変えずに旅程を再編成する

紅海沿いのビーチにダイビングスポットがあるらしく、旅行の趣旨を変えてダイビングをするのはありだと思っていた。宿とダイビングの価格もかなりリーズナブルで、水中の視界もかなり良さそうだ。

しかし紅海の水温がダイビングに適しているかが微妙なのと、トルコ旅行全日程分をこちらに振り返っても結局飽きる気がする。あとダイビングのライセンスを家においてきたので、代わりのライセンスを発行するのにも手間と時間がかかる。

2. 旅程を再編成した上で、帰国日を少し繰り上げる

これもある程度はあり得るプランだと思っていた。少なくともトルコに今行きたいと思っていないため、この期間を削って日本に帰ろうと思った。しかし飛行機を変更しようとしたら思っていたより値段がすることがわかり、数日繰り上げる際の費用対効果が微妙だった。

3. 最速で帰る

最速で帰った場合は(2)の費用対効果を正当化できる気がしている。行きたくないツアーに入るコストが浮くので、変更料が微々たるものになる。

 

ここまで書いたら今すぐ帰るのが一番丸いムーブな気がしてきた。楽しくない旅を継続するがしんどいので、さっさと引き上げるのが丸い。とりあえず帰りの飛行機を取ろうかな……

今回の旅に関するネガキャンばかりしているが、実際は面白いこともたくさんあった。特にアテネの遺跡類は感動の連続で、旅行に来たことへの後悔はない。エジプトも皆が知るような人物(有名人などではないが)と偶然出会ったりした。この辺は気力があれば後日書くとする。