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2019年民主党予備討論 2人の候補者

2020年のアメリカ大統領選に向け、民主党内で候補者の予備討論が東海岸時間で6月26日と27日の夜に行われる。今年はなんと20人もの候補者が予備討論をするという。

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おそらくアメリカの選挙に関心がない人でも、オバマ政権時代に副大統領を務めたジョー・バイデンや、2016年度の大統領選でヒラリー・クリントンに破れたバーニー・サンダースは何となく聞いたことあるのではないか。

どちらにしても、上の3つの記事ではバイデンとサンダースに加え、エリザベス・ウォーレンやカーマラ・ハリスといった大御所の候補者を紹介している。せっかく他にも候補者がいるので、僕がこれから話題になるであろう二人の候補者を紹介したい。

 

トゥルシー・ギャバード下院議員

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26日の討論で最も気にするべき候補者は間違いなくギャバードだと思う。

ギャバードは現在ハワイ選挙区からの下院議員で、21歳でハワイ州議会員を務めた経歴のある若手の候補者だ。元軍人で2度中東に出兵した経験をもとに軍産コンプレックスを強く批判し、長続きする戦争と"世界の警察"と化したアメリカの現状を終わらせようと主張する。

僕の中で彼女は「外交政策に強いサンダース」という印象がある。もちろん2016年にサンダースを推薦したからというのもあるが、それ以上に彼女の政策がサンダースの外交政策を更に深掘りしたものに聞こえるからだ。

サンダースは「この国を蝕んでいるのは富豪たちで、彼らがあぐらをかいているせいで中流階級が苦しんでいる。富の再分配をして公平な教育と医療を充実させよう」といった口調で政治活動をしてきた。

対してギャバードは「同時多発テロ以来、イラクアフガニスタンで多くの人が命を落とし、9兆ドルに及ぶカネを溝に捨ててきた。今戦争を止めていらない軍事基地を撤退させればカネが浮くので、医療などに当てていこう」という論理展開をしている。

サンダースと政策は似ているが、軍人であったという経歴からサンダースよりも戦争が無駄であるということを力強く主張している。

おそらく1日目の討論の中で最も外交政策について強い意見を持っているのはギャバードなので、戦争についてのトピックでぶっちぎりのパフォーマンスをすることができた場合、今後の選挙で生き残れるだろう。というのも、同じ席に軍産コンプレックスの中枢にいるような候補も座っているため、外交政策について語れる候補者が限られているのだ。ウォーレンのような極左に見える議員がトランプの軍事予算案に賛成したのも記憶に新しい。

上の動画でもスティーヴン・コルベアのアホな質問(アサドが市民に化学兵器を使ったかどうかなど、わざと論点をねじ伏せるようなもの)に冷静な顔をしつつかなり強いトーンで受け答えしている。民主党討論でもどのような発言をするのか非常に気になる。

ここ数日トランプが「日米同盟を考え直すべきだ」と言ったらしいが、ギャバードのような候補者が大統領になったら冗談では済まなくなる。彼女が沖縄などの在日米軍基地をどう思っているのかがわからないので、日本人でも右翼左翼かかわらず選挙の動向を注意する必要がある。

 

 アンドリュー・ヤン(起業家)

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この人は2日目に討論する予定。シリコンバレーの起業家で、僕がもしもアメリカ人の民主党支持者だったら票を入れるであろう候補者トップ3に入るレベルの、とにかく新しいタイプの候補者だ。

「2016年にトランプを当選させた問題を解決させるためだけに大統領選に立候補する」と明言し、「アメリカ国民が抱える問題を解決すること」を目的としている。

ヤンの話し方はとにかく数学的で、スピーチでもよく自身が「数学好きのアジア人」であるとネタしているが、とにかく何でも物事を問題発見→解決という方程式に当てはめ実行するので非常にわかりやすい。そしてその問題解決方法もシリコンバレーっぽい論理構成なので面白い。

例えばマニフェストの一つであるベーシックインカムのページを見ると、月1000ドルを全ての成人に分配すること、どの問題に基づいて行うのか、ベーシックインカムを導入するゴールは何なのかをポイントごとにわかりやすく説明している(財源については別ページで詳しく書かれている)

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ヤンの最大の強みは「現在のトランプ政権に対する批判」ではなく「トランプが公約に掲げていた問題が解決されていない事実」を批判することによって保守派からのサポートもあることだ。

2016年の選挙での民主党の失態というのは、アイデンティティ・ポリティクスに傾倒したがために、多くの有権者にそっぽを向かれたことだ。女性や黒人の候補者がいくら喚いたところで、実際の有権者が抱える問題について解決する態度を見せなかったら誰も支持するわけがない。

2016年の選挙はミシガン・ウィスコンシンオハイオペンシルベニアといった仕事がロボットや外注により失われやすい労働者を多く抱えた州が仕事が戻ってくるという希望のもとトランプに票をいれた。そしてその様な州が最終的な決着をつけることとなった。多くのアメリカ国民の心に響くのはポリコレではなく、不安を拭うことなのだ。

今後も多くの単純労働が技術によって指数関数的に奪われるという懸念がある。トランプ政権になってからブルーカラーの労働者たちの生活が豊かになったという話もあまり聞かない。そういった意味でもヤンがどのようにして"第四次産業革命”に反応するのか大変興味深い。

少なくともバイデンやハリスなどと比べるとヤンの知名度はまだ高くないが、彼のユニークな問題解決法と理路整然としたトークは多くのアメリカ人を魅了するに違いない。いつも通りの威風堂々とした態度で臨めば確実に知名度が上がるだろう。

 

まとめ

ギャバードとヤンという2人の候補者を紹介したが、他にも面白い候補者や面白くない候補者が多数いるので、どのような討論になるのか楽しみだ。

僕はアメリカ人ではないしアメリカに住んだこともないが、日本がアメリカに実質依存していることを踏まえると、アメリカの大統領が誰になるのかと言うのは日本の衆参議院選挙と同レベルに重要なことに見える。今までスポーツ観戦のように選挙情報を見てきたが、もう少しマクロな目でどのように自分に影響を与えるのかを今後の討論で見極めたい。