偏差値2那由多

一般男性の公開ポエム

平成のカラーとは

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僕はあまり強く意識していなかったけど、TwitterのTLを見る限り平成がもうすぐ終わるらしい。

5月1日に平成が終わるらしいけど、元旦のように午前0:00の日付が変わるタイミングで元号が変わるのか、それとも5月1日の12時ちょうど、みたいな適当なタイミングで変わるのかは知らない。もしかしたらこの記事を書いている今既に元号が変わったのかもしれない。どちらにせよ、大体今から10時間20時間する間には一旦時代の区切りが発生するのは確からしい。

 

ぶっちゃけた話何時何分に元号が変わるというのはクソほどどうでもいいんだけど、平成に生まれたニンゲンとしては少し気になることがある。それは、今から10年20年した先の僕らが平成という時代をどう見るか、ということだ。

もしくは、平成をほとんど生きていない世代の人達(つまり、ここ数年で生まれたような子ども達)が平成をどうイメージするのかというのが非常に気になる。

例えば平成一桁年に生まれた僕としては平成の半分くらいは辛うじて記憶にあるが、前半の部分は殆ど知らないし、昭和の話までなると人の話と昔の映像でしか確認していない。ただ一つ言えるのは、昭和という時代には確実にカラーがあって、その時代を生きてきた人達には共通する記憶がありそうだということだ。

正確に言うと、昭和というのは平成の倍もあるので、60年間一貫したカラーがあるとまでは言い切れない。しかし、少なくとも昭和前期(1955年くらいまで)と後期(1980年代まで)に分けると何となく共通するカラーがある。

昭和前期と言われると真っ先に思いつくのは当然華やかだった大日本帝国と、それを全て潰された第二次世界大戦だ。多少誤差があれ、この時代を生きた年配の人達は口を揃えてこの話をする。よっぽど彼らの記憶に刻まれたんだろうなと思う。

昭和後期はどうだろう。この時期を生きた人達の話になると昭和前期の人達よりも多少パーソナルになるが、それでも高度経済成長の中必死に頑張った話と、バブルで浮かれていた話をよく聞く。かなりノスタルジーバイアスがかかっているが、それでも話に華があると思う。

 

平成はどうだろうか。

20年先に酒を飲んで昔話をするときに(もっとも、その時には酒を飲む風潮がなくなってるかもしれないが)、我々平成を生きてきたニンゲンは共通の話題で盛り上がれるだろうか。盛り上がれたとして、それは明るい話題なのだろうか。平成を生きてきたニンゲンがカラオケに行った時にみんな絶対わかる「あの曲」とは誰の曲だろう。

「平成」を象徴するものとはなにか、という問いに対してナイーブな答えはインターネットだろうが、令和になってもインターネットは続くだろう。昭和のイメージがテレビやラジオではないと同じようにインターネットが平成の象徴になるとは考えにくい。

そうすると次に何となく出てくるのは就活氷河期やブラック企業のような経済の停滞を示す単語や熟語だ。「失われた10年/20年」という不吉な言葉を聞くようになってからしばらく経つが、個人的にはこのようなイメージが先行するのではないかと心配している。

バブルの時代を生きた人達の話を今まで散々聞かされたが、正直全然想像ができない。50前後の人達と30~40くらいの人達が20代の時の話をすると、あまりにも話がかけ離れていて反応に困る。そもそも50代の人達が話すように日本が盛り上がってるところを見たことがないし、盛り上がってたとしたらその場にいる半分くらいは中国人観光客だろうと思っている。

少なくとも昭和ほど今の日本が活気に満ちているとは到底考えられないし、昭和後期よりは圧倒的に暗い時代だった気がする。もちろん昭和後期を生きたわけではないから断定はできないけど。だとすると、その暗さや世知辛さそのものが平成の象徴となる可能性は大いにある。

 

どちらにしても、20年後に平成をどう振り返るかはその時にならないとわからないだろう。もしかしたら昭和のような共通認識がそもそも存在しないかもしれない。

ただもしも存在するとしたら、それはかなり暗いものである可能性が高い気がする。そういった意味では、今の天皇は少々不憫な気もする。

あとで振り返った時に平成のカラーがどんなものになるかはわからないけど、どちらにせよ次の時代がもっといいものになるといいね。