偏差値2那由多

一般男性の公開ポエム

マブラヴオルタネイティヴとヴィジュアルノベルの強み

マブラヴオルタネイティヴを攻略した。もちろんR18版。

総プレイ時間30時間くらいかな?先週の水曜日に買って日曜日に終わらせたけど、木金は働いてたから実質3日で1日10時間前後プレイした計算になる。映画ですら集中力が続かない僕がここまで何かに釘付けになったのは久々だった。まあいつもの如くずっと画面を見続けるのはきついのでたまに運動したりしたけど、それでもここまで集中できたのは奇跡に近い。

率直な感想を言うと、マブラヴオルタネイティヴは今までで一番リアルに戦闘と死について考えさせられる作品だった。

今まで読んだどの戦争もののフィクション本や映画よりも、「人と人が争う」ことの愚かさや世の不条理というものが鋭く伝わってきた。というのも、本や映画にはかなり極端な弱みがある。言葉だけで伝えるには限界というものが存在するし、映画は尺や演出の影響で単調な見せ方はできない。

 

僕はUNLIMITED編をやった時に「なんでこのゲームをエロゲにする必要があるんだろう」と純粋に疑問に思った。時代性ってものもあるんだろうけど、エロゲというかヴィジュアルノベル全体としてあまり戦闘モノが合わないイメージがあった。映像も少ないし、そもそも戦闘シーンをつけたかったらアクションゲームなり映画なりのほうが割りに合ってる。

まあ、エロシーンを一部つけたかったからなのかな、というのも推測できた。ちなみにマブラヴ無印はPSVitaでやったため、そのような描写を見てないからこのような疑問が浮かんだというのも否めない。ただ全年齢版でも一応ぼかしながら濡れ場を描けたんだから、無理にエロゲにする必要性が見当たらなかった。

 

ゲームが終わってから思ったのは、これはむしろヴィジュアルノベルだからこそ伝えられるメッセージがあったのでは?ということだ。

例えば伊隅大尉が佐渡島で凄乃皇弐型の破壊をしたときの伊隅ヴァルキリーズ各メンバーとの最期の会話というのも、映画やアクションゲームでちんたらやってもイライラするだけだ。

BETAの横浜基地奇襲戦の様子も、武と速瀬視点と涼宮姉視点と冥夜視点と……と全部いちいち確認するのはやはり途轍もない時間が掛かるし、それでも全て確認しないと速瀬の最期と純夏が持つ能力の関連性が導けない。

最後の方で夕呼先生が言った「BETAとのコミュニケーション以前に、人間同士の相互理解が必要なの。それこそが、人類生存の鍵を握っているわ」というセリフも、あの巨大な世界観を理解した上で納得できるもので、2時間の映画で言われてもちょっと唐突すぎる。

やはりどんなバチバチな戦闘ものだろうと、大きく広げた風呂敷をじっくり回収するには映画や本という媒体よりもヴィジュアルノベルが強いのかな?と思った。的確に描写を伝えつつ時間をかけて一つ一つの言葉を解釈してもらうには、ヴィジュアルノベルが一番効果的なのかもしれない。

 

それにしても、なんでマブラヴやシュタゲ、Fateのような巨大な世界観のヴィジュアルノベルがあまりないのだろう。無理に凝りすぎたアクションゲームを作るよりも比較的低予算でプレイヤーにじっくり世界観を味わえさせることができる気がするんだけど。まあそもそもここまで大きい世界観を作った時点で既に低予算ではないんだろうけど。

もちろん、恋愛ものを否定するつもりは全く無いし、そういうゲームを昔からやってきた僕はむしろ肯定派だ。

僕が言いたいのは、ヴィジュアルノベルというのが「映画」「アニメ」「本」「音楽」「ゲーム」と言ったメッセージを伝える媒体の候補の一つとしてあまり浸透してないんじゃないかな、ということだ。

それはそもそもヴィジュアルノベルの過半数がエロゲだからっていうのもあるし、そのエロゲ業界というのがかなりクローズドな環境だから印象として煙たがられやすいから、というのもあるだろう。

しかしスマホが浸透したことで、スマホのような低スペックコンピュータでも遊べるヴィジュアルノベルというのも少しずつ受け入れられている気もする。実際、アニメ絵を使うかなりのスマホゲームはヴィジュアルノベルでストーリーを進めていたりする。

何となく、これからヴィジュアルノベルの「触っちゃいけない感」が剥がれていく気がする。スマホゲームの浸透によって、ヴィジュアルノベルが媒体の一つとして考慮される日はそう遠くないと思う。

そうなった時、ヴィジュアルノベルの名作というのが増えることを強く望む。

軌跡シリーズやマブラヴのように独自の巨大な世界観を持つ作品を愛する者として、そのような世界観を比較的低コストで高い次元で実現できるプラットフォームが浸透することは非常に佳いことなのだ。