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一般男性の公開ポエム

トランプの政策がビジネス風だと言う誤謬

以前から多くの人が「トランプはもともとビジネスマンだから、彼の政策もまるで会社を経営しているかのように合理的なものになる」と分析している。

全くもって誤った見解だ。一部及第点を与えるにしても「ビジネスマンだからビジネスマンが優遇されるような政策を出している」と言ったほうが正しい。

こういった分析の背景に、トランプの人柄がよく挙げられる。例えば安倍首相がオバマ政権時に首脳会談をすると毎回事細かくスケジュールが管理されていていたが、トランプになってから「とりあえず散歩でもどうですか」「まあ晩ごはんにしましょう」とだいぶフレキシブルになった、という話がある。つまりオバマ以前の大統領は官僚的だったが、トランプは比較的うわてのビジネスマンのように交渉を進めるということだ。

こんな喋り方をする大統領は今まで見たことないし、きっとビジネスマンのような政策を出すに違いない、とでもいいたいらしい。

 

僕が此処で聞きたいのは、ビジネスマンのような政策とは何か?ということだ。

そして返ってくる回答は大体”America First”だ。アメリカ国民が優先なので、アメリカ国民が利益を得ない事業は積極的に撤退し、アメリカ全土に正義を広めるという。アメリカ国民に利益がない外交は当然しない。

このような国造りが「ビジネス」にそっくりだというのだ。経営者は当然自分の会社の拡大/存続を第一に考えているから、時に汚い手を使ってでも他社を打ち負かそうとする。トランプも会社経営と同じような感覚で”アメリカ国民を守る”政治をするだろうと言いたいのだろう。

もしもトランプが今言ったような政策を実行していると考えているとしたら、2017年1月以降のニュースのヘッドラインだけでいいからズラッと見てほしい。

そして問う。法人税減税、シリア侵攻、規制緩和……これらが潤しているのは大多数のアメリカ国民なのか?

大統領選挙期間中は確かにアメリカ国民のマジョリティーの味方をするような口振りだった。NAFTAを再交渉する、TPPは酷い協定だと、それこそラストベルト(オハイオペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン等)の白人労働者が両手の親指を立ててニコニコ喜びそうなことばかり言っていた。

蓋を開けてみたら現状のNAFTAやTPPに前向きだし、そもそもそのようなアメリカの労働者が守られるような政策は何一つしていない。むしろ既得権益層が一層得できるような政策ばかりしている。

 

つまりトランプはビジネス的な政策を出しているわけではなく、ビジネスが潤うような政策ばかりしているのだ。こういったポイントを整理するときはポイントを見失ってはいけない。

政策の話をしたいなら政策の話をしてほしい。政策の話をしているのに持論の根拠が人柄と経歴に頼っていては議論にならない。

未だに「トランプはビジネスマンだから〜」と戯言を言っている連中は2016年からニュースを見てない人だと思ったほうがいい。