偏差値2那由多

一般男性の公開ポエム

ペルソナ5をクリアした

ブログ書く書く詐欺を繰り返してたけど、結局書くことは一度もなかった。

 

 書く気がなかったというよりは、忙しかったからだ。 

ずっと何かしなきゃいけないんだろうなってことは頭でわかってたんだけど、ペルソナ5というゲームを始めてしまって他のことが全く進まなかった。

で、やっとクリアした 

ネットでレビューがある通り、ペルソナ5はアトラスの歴史に残る素晴らしい作品になるのは間違いない。色々と終わらせてから思ったことがあったので少し書いてみようと思う。

ここから先、ペルソナ5やペルソナの前作(3、4)のネタバレがあるのでプレイ中の人やまだプレイしてない人でこれからプレイする予定がある人は見ないほうがいいです。あと、全く関係のない閃の軌跡のネタバレも少しするので、閃の軌跡のプレイが終わってない人も見ないほうがいいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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率直な感想を言うと面白かった。結局3週間くらい野暮用がないときはずっと部屋に篭ってペルソナやってたと思う。途中で家に帰れなかった時があったからそれは除くけど。

総プレイ時間約90時間。1周終わらせるのにここまで時間を食うRPGは初めてかもしれない。ちなみに途中からNORMALからEASYに変えた。難易度下げないとキリがないと思って変えたんだけど、思ったよりサクサクになったわけではなかった。

発売日が延々と延期されたのを思い出すと、本当にこの作品を最高のものにするのに精一杯頑張ったんだろうなというのが伺える。ちなみにこの延期のせいで一番忙しい時期に発売されて今の今まで遊べなかったわけだが。

制作陣がネタバレをあれほど嫌がったのも納得がいった。マダラメ・パレスのあたりでそのあたりを察したので、ネットでペルソナのことを検索するのを一切やめTwitterでも「ペルソナ」というキーワードをミュートした。お陰でペルソナに関するネタバレを一切見ることなく遊べたので未だに余韻に浸れてる。

 

コープを進めるのが楽しい

正直これはでかいと思う。今作はコープを進める重要性をはっきりと示した。まあこんな風に偉そうに言ってる割にあまりコープが進まなかったわけだけど、それでも重要だというのはよくわかった。

そのコープが好きかどうかはおいておいても、それを進めることで戦闘やメメントス・パレス攻略時に有利に回る。前作まではせいぜいアルカナのペルソナが解禁される程度で重要性がなかったので、これは大きい。

一つ一つのコミュも前より楽しめるようになった。まだランクが上がらないときに相手が好きそうな場所に連れてって会話をしたりするのが楽しかった。あとはメメントスと連動させてストーリーが進むのも斬新だったと思う。

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武見先生。かわいい。

武見先生のコミュは猛スピードで上げた。なぜならかわいいから。いつもイキってる人が突然デレたり弱いところ見せてきたりするとぐっとくる。

ちなみに他で好きだったコープは武器屋の岩井、あとゲーセンの織田かな。

 ペルソナ3、4、5やったけど、子どものコミュは面白い。子どもの成長って大人の成長より相対的に大きいように見えるから、自分が親分になった気分になって成長を眺めるのが清々しい。3は家庭崩壊、4は受験生(親の期待に応えるための)、5はモンペっていう子どもが抱える問題に正面から立ち向かうのは本当に面白い。

 

ユーザー・インタラクティブになった

多分前作からもそういうつもりだったんだろうけど、今作はもっとユーザー・インタラクティブになってると思う。主人公は一応無口キャラってことなんだろうけど、喋るときはユーザーに選択肢を与える。この選択肢が格段と増えて、ゲームの中で自分が積極的に会話してる気分になれたと思う。

ダンジョンも面白くなった。3のタルタロスと4はダンジョンが完全にランダム生成だったためかかなり単調だった。無論、3では満月の日の影時間には特殊なダンジョンがあったが、これといった面白いものがあった覚えがない(ラブホで意識が朦朧とするところは結構時間かかったけど)。タルタロスが二百階はあったことを考えると流石にうんざりするところはあった。

今回はタルタロスの役割をするメメントスの重要性を格段に下げ、代わりに特殊なギミックが多いパレスに重点を置いたため、飽きることがなかった。簡単な謎解きをすることでユーザーと積極的に関わっていた感じもする。

 

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裏切らないBGM

ペルソナが人気を誇る理由の一つはやっぱりBGMだと思う。Remix版が音ゲー化までするくらいには。

RPGのBGMってあんまりボーカルを入れたがらないんだよね。音だけならまだしも、声が入っちゃうとどうもその歌詞を聞き出そうとして集中が分散しちゃうから。

そこをペルソナシリーズは

  1. 英語の歌詞を使って意味を汲み取りづらくする
  2. 日本人の歌手を登用して聞き取りを少し難しくする

を利用して無理矢理ボーカルを入れることでゲームに立体感を生み出した。こんな試みをするゲームは殆ど無い。

今作ではLyn氏がボーカルを担当したということ。英語のクオリティが上がった代わりにボーカルをつけるBGMは臨場感のあるものが多かったなあと思う。Amazonで試せるので良かったら聞いてほしい。

www.amazon.co.jp

例えば"The Whims of Fate"とか、カジノのバブル感とパレスの緊迫を同時に組み込んだ曲だなあって思う。

あと全く関係ないけどButterfly Kissの途中から四拍子から三拍子に変わるあたりも好き。あの音楽なら苦手な病院もらくらく行けそうな気がする。

 

怪盗団と孤独

ペルソナシリーズを見ると、主要メンバーには必ず共通項がある。この共通項は正確に言うと「持ってるもの」というよりは「持っていた」ものだ。

P3ではトラウマ、P4では不安だとすると、P5は間違いなく孤独だと思う。そしてこれら全ては無意識のうちに経験してるものだ。

この孤独というものにはとても共感ができる。僕自身、P5のメンバーが感じていたような孤独というのは何度も経験した。

特に共感できたのは真だった。僕は真みたいに「成績トップ」「生徒会長」「美人」のようなレッテルは持ってないが、成績と振る舞いで周囲から理不尽な期待を押されそれが拗れて孤独に陥ったことが何度もある。というか、実際僕はその延長線上に立っている。10年以上いたちごっこを続けているのだ。

だから真は「周囲に見せる顔」と「実際に考えてること」にかなりのズレがありそうだなあって簡単に察せた。そしてそれに抗う力さえも尽きていたのも容易に想像できる。だからなんか似てて放っておけない。

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ぼっちほど怪盗団メンバーが持ってる葛藤はシリーズ史上一番共感しやすかったのではないか。怪盗団のほうが自称特別捜査隊よりもエグい過去を持っていることは火を見るより明らかなので、もっとマイルドなP4の方に共感しやすいというのはごもっともだと思う。しかし、それを考慮してもレッテルや経験が原因で孤独を感じた人は怪盗団のほうが共感しやすいと思う。

孤独は人を成長させる。これ、あんまり知られてないけど正しい。そもそもぼっちが偉そうに説教することなんてそうそうないから知られてないのは当然だが。

正確に言うと、ただ腐らせただけの孤独と反逆の孤独がある。怪盗団メンバーは集団になったことで初めて後者の孤独になることが出来た。一人で何かを考える時間が長い人ほど本質的なものに疑問を持つ。それを集団となることで実行する力を得るのだと思う。このようにして内側と外側を順序よく固めた「孤独な」怪盗団メンバーは、そこらの意識高い系よりよっぽど力強い。

 

一方、P4の自称特別捜査隊は必ずしもぼっちの集まりではなかった。みんなちょっと浮いてる感じはあったけど、どこのグループでもあり得る浮き方だったし、一般的なグループでは「ちょっと外れたやつ」がちらほらいるほうが面白い。だから番長は圧倒的リア充オーラを放ってたわけだ。

怪盗団は違う。みんな致命的に浮いていた。全員ありえないほどマイペースで自己主張の激しい人達だなあって思いながら遊んでた。でもそれは「欲望から生まれた」主張ではなく「硬い信念から生まれた」主張なので一貫性がある(厳密にはこの2つは同じものだが)。

世の中の理不尽というのは怪盗団のような批判的で本質を突く人達が能動的に動かないと倒せない部分が大きいと僕は確信しているので、そういった意味ではただただ群れた者が支配する世界に喝を入れたと言っても過言ではない。

何度も繰り返すが、このような共通項を持った「ぼっち」の集まり(大矛盾)というのは非常にパワフルだ。ただ適正を持っただけの特別課外活動部や結局リア充の群れと化した自称特別捜査隊よりも強いと感じる。

今作は孤独な個体のポテンシャルとそれが集団となって共鳴したときのパワーをはっきりと示している。

  

愚民というテーマ

今作の見どころでありかつ唯一の問題点なのは「愚民」をテーマにしてしまったことだと思う。

僕は個人的に偽イゴールが度々言ってた「人類の怠惰には呆れた」「世界は破滅する」という姿勢は肯定的に受け止めている。誰もが考えを放棄しているが、形式上は民主主義が一番のトレンドだ。この形式と実際の現場のズレが急速に進んでいる現実が崩壊するのは時間の問題だと考える。

こういった人類の根本的な問題を「怪盗」が「盗む」ことにより「世直し」するというアプローチは少し冷めた目で見ていた。否定的に見ていたわけではないけど、それちょっと無理があるでしょって思っていた。

獅童までは心理学的アプローチだ。欲望を盗むことで改心させ、悪の循環を断ち切ることで周りの環境を自然に変えてゆくと言うのは合理的に見えた。

しかし、最後の戦いはどちらかというと社会学的な存在であり、これを以前の改心と同じ尺度で図ろうとしていたのは少し問題だと思った。

獅童が改心した際、明らかに問題だったのはスキャンダルが発覚しても能動的に世の中を変えようとしなかった愚民ではなく、スキャンダルをもみ消そうとしたエスタブリッシュメントだった。なのに怪盗団は愚民の方に敵意を向け、偽イゴールを倒そうとした。

結果論としてすべての元凶は偽イゴールの方にあったが、僕はあれがトゥルーエンドだとは思っていない。

 

足立透のオマージュ

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明智吾郎の立ち位置もすごくがっかりだった。

なんかよくわからないところからノコノコ出てきてパンケーキの失言をして最終的にシドウ・パレスに存在する自分自身のシャドウのツレに殺される(殺されたのか?)という、いかにも哀れな人間だった。

正義のアルカナを持っている反面、本音は欲望まみれだったのを省みてそのギャップに惚れた人もいるんじゃないかと思う。

けど足立とくらべてみると、どうも面白くない人柄だったなあと思う。

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足立は良くも悪くも「人間らしい」欲望があった。言ってることは無茶苦茶で全部自分が中心に回ってるような言い方をしているが、それって実際P5が暗示した「愚民」すべてが持ってる根本的なものじゃないかな。みんな自分でわかっててでも言いづらいから、足立のような悪党は妙にファンが湧くのだと思う。

明智が獅童の息子だったとか探偵をやってべた褒めされたかったとか、気持ちはわからないこともないけど共感に欠ける。もちろん同情もできない。

 

なんとなく、アトラスは足立が人気を得た理由をちょっと間違えてるのかな、って思った。足立が好かれたのは単に自己中な悪党だったからじゃなくて、愚民の根本的な欲望を全面的に押し出したからだと思う。明智はそんな足立のオマージュとして描かれてるような気がするが、明智の欲望はどうも人工的で見ててこっちが冷めてしまう。

しかも明智の生体反応が消えてから明智の話題を誰一人持ってこなかった。最後の最後まで明智の死が悔やまれることはなかった。確かに悪党を庇うような発言を避けたいのはわかるのだが、メンバー全員があたかも我関せずの態度を貫いたのは足立のオマージュとしては失敗なのではないか。

黒幕だと正体がバレてから死ぬまであっという間で、しかも死んでから存在そのものがほとんど忘れ去られたのを省みると正直いらない子だったなあとすら思ってしまう。

 

ちなみに、明智の最初の「パンケーキ失言」に気づいた人ってどれくらいいるのだろう。僕はモルガナの言ったことをオウム返ししたのはおかしいと思ったが、黒幕とまでは深く考えていなかった。

僕がもっと妙だと思ったのは明智の「クロウ」というコードネームだった。これに関してはアトラスは全く悪くないのだが、僕がこの名前を見て真っ先に思いついたのはこいつだった

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クロウという名前を見て「まさかな」って思ったけど、そのまさかのまさかだった。あまりおもしろくないが。

で、閃の軌跡のクロウはP5のクロウと瓜二つだったと思う。

  • 物語の黒幕である
  • 一つのダンジョンのみ仲間メンバーとしてパーティーに参加できる
  • 最後はあっけない死で終える

あまりにも一致する点が多かった。しかし、閃の軌跡のクロウは黒幕とバレた閃の軌跡無印の終盤から閃の軌跡II全域でVII組メンバーと戦い抜いた挙句に死んだ。その点、P5のクロウは黒幕とバレた直後に死んでしまった。「身近にいた人物」だけに、この黒幕との対峙をもうちょっと長く描いてほしかったなとは思う。

まあ閃の軌跡のクロウとは違って常に警戒されていたキャラだからっていうのもあるからそこは理解できるけど。それにP5に関してはこれ以上話の風呂敷を広げると流石に収集がつかなくなるだろうしね。

 

新島冴との交渉

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はっきり言って残念なことだらけだった明智だけど、唯一面白かったのはジョーカー救出作戦だ。

あのバッドエンド回避から何が起こってるのか十分に理解していた人はほとんどいないんじゃないかな。パンケーキで気づくくらいの勘のいい人でも、これに関しては気づかないんじゃないかなって想像する。

新島にイセカイナビを起動させて明智にスマホを見せるだけで認知の世界に入り込み、そこには「認知上のジョーカー」がいる……この事を理解するのには小一時間かかった。

正直、このトリックを披露したかったからゲームを開発したんじゃないかと思うくらいよく出来たギミックだと思う。そりゃ「名探偵」の明智も一本取られたといったところだろう。

 

ペルソナ5と未来

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ペルソナ5は色々と伏線を回収しないで終わらせた為、個人的には不完全燃焼気味だ。

審判(冴)のランクがMAXのときにもらえるアビリティが「?????????」だったり、冴が主人公に出頭を促してから実際に保釈されるまでの間に何があったのかなど、冴の周りで様々なことが回収されていない。

エンディングのムービーで何故か公安らしき男たちが主人公一同を追おうとしたのかも謎だ。あれに何も意味がなかったのでは蛇足だと思う。

なんとなくだけど、制作側は続編とかを作りやすくしたかったんじゃないかな。P4とP4Gの違いなんて完成品に髭を生やしたようなものだ。それに比べP5からは「微妙に不完全な作品を完全にしたい」といった意思が見える。まあP4UやP4Dのように完全な番外編を作るよりはこっちのほうがいいんだろうけど、少し腑に落ちない感じは残ってる。まあその分余韻に浸れるからいいんだけど。

僕の予想が正しかったら、DLCなどでこのような謎を解決する「何か」を出してくれると思っている。それは続編かもしれないし、セーブデータから内容を補完するものかもしれない。それはまだわからないが、何かが起きるとは思ってる。まあP3もP4も無印だけで終わったわけではないし、今作もそういったことを期待してもいいよね。

 

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色々とネタバレを挟んでしまったが、総じて言いたかったのは今作は本当に面白かったということ。明智関連はかなりがっかりだったけど、全体の評価に大きく影響を及ぼすものではないと思う。

もし続編があるとしたら確実に買うだろう。正直5%程燃焼しきれてないものがあるので、それを燃焼しきりたいという気持ちが喉の奥から勢い良く出てきそうな思いだ。

あまりこのゲームについて語れる人がいないので、このゲームを1周でもクリアした人はTwitterでリプをしてほしい。箱庭ではない割に遊ぶ側の解釈に頼るゲームだと思うので、人と話すほうが面白いだろうなと勝手に考えてる。